矯正 (2)

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「美しい歯並びこそ、美しい笑顔の条件」

毎日、自信を持って健康的でステキな笑顔を人前でできるようにすることは、自分自身にとって最良のプレゼントだとは思いませんか?

誰かのことを思う時、まず最初に頭に浮かぶのは何でしょう?ある人は「瞳」と答えます。目は心の窓とも言いますよね。でも笑顔 も心に残るものです。生 き物の中で笑顔が作れるのは人間だけです。ステキな笑顔は一生の宝物ではないでしょうか。そしてその笑顔によって得られるものも 沢山あります。

自分に自信が持てます(手やハンカチで隠す笑顔は悲しいですよね)

健康な噛み合わせで食事が楽しくなります

歯並びがきれいであれば歯のメンテナンスも楽なので、白く輝く歯を比較的簡単に保つことができます

歯列矯正について

噛み合わせの問題でよくあるケースを、以下でご説明します。

クラスI :バランスのとれた状態。これが上下顎の標準的な関係です。

クラスII :(上顎前突/出っ歯)上顎とその歯が下顎よりも前面に出ている状態 。顎が引込んだ凸面的な外観となっています。原因は主に、上顎の成長過多、下顎の成長不足のどちらか、またはこれら両方が重なって起こります。遺伝的要因が大きいのも確かですが、指しゃぶりなどの行為も状態を悪化させる原因となります。

クラスIII (反対咬合/受け口) : 下顎とその歯が上顎よりも前に出ている状態 。顎が突き出た凹面的な外観で、クラスIIと同様、遺伝的要因がほとんどです。

a1混雑している歯列(乱ぐい、八重歯) :歯科矯正で多い原因がこの状態です。これは、顎のサイズと歯の大きさが合っていない場合に起こります。乳歯から永久歯への生え変わりが早すぎたり、逆に遅かったりすることが原因となったり、生える位置が適切でない時にも歯列に影響します。これを整えることで、正しい歯のケア=プラークコントロールが出来るようになり、虫歯や歯周病の予防にもなります。

a2歯に隙間がある :「混雑」の反対がこの「隙間」のある状態です。通常顎の大きさに対し、歯が小さいことで起こります。また欠歯、埋没歯などが原因となることもあります。矯正することで食べ物の詰まり易い状態を改善し、歯周病などを防ぐことが出来るようになります。

a3埋没歯 :歯の発達する過程で、正しい位置にない歯が生えることができず、歯茎内に埋まったままになることで、混雑している歯列の場合や、何らかの原因で乳歯を早い時期に失った時にも起こることがあります。「親知らず」にこの埋没歯が多いのはよく知られていますが、犬歯、小臼歯にも見られます。治療には口腔外科医と矯正医が関わり、軽い外科処置を行い、正しい位置に埋没歯を生やす治療をしていきます。

a4噛み合わせに隙間がある(オープンバイト/開咬「かいこう」) :口を閉じた時に上下の歯の間に隙間ができてしまうのは、指しゃぶりや舌を突き出す癖などが原因となったり、顎の発達過程でも起こります。原因を確定することと、治療の時期をいつにするかで、矯正の善し悪しが大きく左右します。

a5噛み合わせがずれている(クロスバイト/交差咬合「こうさこうごう」) :咬み合わせた時に、上下の奥歯の位置がずれていて、元来あるべきものと逆になっている状態です。これを成長期の間に矯正しないまま放置すると顔のバランスに影響しますので、早期治療が望まれます。

a6噛み合わせが深い(ディープバイト/過蓋咬合「かがいこうごう」) :上下の歯の重なりが深く、下の歯が見えない状態。歯を支える骨の発達過程で上下顎の成長に差があったことなどが原因と考えられます。ひどい場合、下前歯が上前歯の内側を傷つけたり、笑顔を作ると歯茎がむき出しになります。

まとめ

歯並びに起因するものは環境が引き起こすものもあり、その場合は予防できます。例えば、指しゃぶりやおしゃぶりの癖を6才頃までに止めずにいると、オープンバイトや上の歯列を狭くする原因となります。同時にクロスバイトは、理想的な矯正結果を得るためには、なるべく早い時期に治療を開始する事が大切です 。矯正的アドバイスが必要と思われるお子様は、7才頃に一度専門医に診てもらうのが良いでしょう。早い時期に医院に行くことで、治療開始時期のプランもつきます。よく「永久歯が生え揃ってから矯正医に診てもらえば良い」という意見を聞きますが、それは間違っています。ケースによっては、早く治療することで楽に治せるときもあるのです。極端なケースだと、顎と顔の成長が終わってしまった後では満足のいく成果が望めないこともあります。

治療の進め方

以上のように、早期の治療は比較的楽に行うことができます。専門医は様々な器具を使用し、歯の位置と顎の形を整えていきます。治療を行う方の多くは思春期のお子さんが多いのですが、専門医は乳歯が残っている時期であっても、顎や歯の発達における微妙な問題を見つけ出します。

早期治療により、時には矯正器具をつけずに済む場合や、矯正器具をつけても短期間で終わらせることができることもあります。治療プランを立て、子供の顎の自然な発達を助け、永久歯の抜歯や顎の外科的処置を行わずに済ませることも可能です。早期治療に続いて専門医は、永久歯の発達をモニターしていきます。初期の治療結果を保つため、取り外しの可能な器具を使い、永久歯を正しい位置に導いていきます。ただ早期治療でも矯正器具が必要な場合は多く、人によっては追加治療が必要なこともあります。この最終段階に当たる治療をきちんと完了させることで、生涯に渡り健康で心地よい口腔状態を保てるようになるでしょう 。

歯列矯正専門医にかかる理由

矯正治療によって、歯並びや時には顔が永久的に変わるのですから、正しい治療が行われることは大変重要です。専門医は国際的に認定された資格を取得するため、長期に渡る厳しく詳細なトレーニングを受けなければなりません。専門医は、顎と歯を整えるために必要な技術を持った、その道のプロなのです。

矯正器具でどうやって歯並びを真っ直ぐにするの?

a7矯正器具(英語でBraces、以下「ブレース」)は、歯に装着した瞬間から一定の安定した圧力を歯に加え、時間をかけながら正しい位置に歯列を整えていきます。各歯につける金具(英語でBrackets、以下「ブラケット」)とそれをつなげているワイヤーは、それぞれに重要な役割を持っています。ブラケットは金属またはセラミックで出来ており、そのブラケットを通してワイヤーを固定しています。ワイヤーで理想的な歯列を形成していきますが、歯列は元来の位置に戻ろうとするため、ワイヤーで力を加えて歯を動かしていくのです。顎骨内を動いた歯は、新しい場所に骨を作り固定が行われます。このように、矯正治療中は美しい笑顔を作り出すために、口腔内で静かに改善作業が進んでいるわけです。固定型ブレースは、歯の表面につける金属のものが一般的です。しかし技術の進歩により、現在の金属ブレースは小さく目立たないものになっています。透明(セラミック)ブレースはさらに目立たないので、人気があります。歯の裏側に装着するタイプもあるので、矯正を全く気づかれずに治療をしたい方にはお勧めです。また、カラフルなブラケットを選べるタイプもあります。好きな色を選ぶことで、治療に楽しみが加わります。取り外し可能なブレースは、特定の患者さんにのみ使われることが多く、機能的にも固定式より劣ります。

日本では「八重歯は可愛い」などとされてきたため、矯正治療は重要視されてきませんでした。欧米では歯並びを整えることは当たり前とされ、子供が矯正ワイヤーをしているのは日常的な光景です。アメリカのアニメの主人公にも矯正をしている子が多く登場しているのが象徴的です。欧米人は、先進国である日本人の歯並びの悪さに驚くと聞きます。国際化が進む今日、ビジネスに携わる方や未来の国際人である子供たちが、自信を持ってさまざまな人との交流をするためにも、好感が持てる笑顔を手に入れることは大切ではないでしょうか。もしかすると、「きれいな笑顔」を作る手助けをすることは、親が子供に出来る最高のプレゼントなのかもしれませんね。


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