小児歯科 (1)

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あるお母さんの小児歯科初体験談

3歳になる元気いっぱいの我が息子がある晩、家で遊んでいた時、顔から大理石の床に激突!泣き叫ぶ息子を抱き上げると、前歯一本が折れて(3分の1しか歯茎に残っていませんでした)上唇を切っていました。息子は意外に我慢強いので(!)、しばらくすると泣き止みましたが、笑った顔は「間抜けちゃん」そのもの。その外見が気になっただけでなく、歯茎の下で神経か何かの異常が起こっていないか心配でしたので、知人から教えて頂いた小児歯科の先生を訪ねました。

息子を歯科に連れて行くのは初めてでしたし、シンガポール人の先生と聞いていたので心配でしたが、予約の電話をすると日本人スタッフの方が丁寧に症状を聞いて下さいました。これで心配もだいぶなくなりました。息子が初めて歯科にかかることを伝えると、親子での心構えもアドバイスして下さいました。また、「お子さんが好きなアニメやキャラクターはありますか?」との意外な質問も。とりあえず「ウルトラマン」と答えました。

息子には「興味を引くようにお出かけをする事を話して下さい」とのアドバイスどおり、「新しくてカッコイイ歯のお買い物に行こうね!」と話して聞かせました。その歯科医院は高島屋ショッピングセンター内にあったので、息子もすっかり納得してくれました。また、「痛い」「怖い」などの言葉を投げかけないようにも注意されました。親が緊張していると、それを敏感に感じ取るのが子供なので、できる限りふだんどおりにしようと努力しました。

クリニックに入ると、まるで歯科医院とは違う雰囲気にすっかりリラックス。息子は待合室にある池のコイを楽しそうに見ていました。また遊具エリアもあり、一緒に連れて行った妹も楽しく遊んでいました。「病院に来た」と言うよりスパにやって来た感じのクリニックです。息子も入ってすぐ、「ママ、ここで新しい歯を買うの?」と私に聞くほど、お医者さんに来た感じがない様子でした。

問診表を記入するとすぐに呼ばれ、日本人スタッフの方と共に治療室に向かいました。入室すると、女性の先生が素敵な笑顔で迎えて下さいました。先生は日本語こそ話しませんが、息子の大好きな「ウルトラマン」の絵を見せて下さり、すっかりリラックスした雰囲気でした。通訳の方と先生のコミュニケーションも良く、私も疑問点は小さな点まで聞くことが出来ました。息子は先生と「歯を見せてくれたらウルトラマンの絵をくれる」ことを約束。まず「新しい歯の大きさを測るため」にいすに座ることを「大きいお姉さん(先生のこと!)」に頼まれて、ちゃんと治療のイスに座ることが出来ました。ちょこんと座って、大きい口を開ける我が息子を見て本当にビックリしました。

口腔内をチェックした後、先生は歯をぶつけた時、唇がクッションになったので乳歯は割れてしまったけれど、根管(神経)は無事だったと教えて下さいました。残った歯もゆるんではいないので、差し歯を装着できると診断を受けました。

先生は差し歯のたくさん入った箱を息子に見せ、そのひとつを取り出して、新しい歯を着けてくれることを話して下さいました。その差し歯を自分の手に乗せてもらい新しい歯に触れることが出来、息子はワクワクしていました。先生は息子に新しい歯を着けるため、割れてしまった歯を掃除すると説明。息子はすっかり治療に協力的で、乳歯を削り、差し歯をはめ、サイズを整えることも出来ました。治療は30分程で無事終了。見た目は自然の歯と変わりないのでビックリ。先生から鏡を渡され、息子は新しい歯を見てニコニコしていました。

また、毎日の歯磨きが嫌いな息子が先生に「新しい歯を毎日きれいに磨きます」と約束していました。一週間後に経過を見せに再診と全体のクリーニングを行うことになりました。最後に先生からウルトラマンの絵を一枚もらい、先生に抱きかかえてもらってお礼を言い、帰りました。娘も、今度はクリーニングをしたいと言っています。「大きいお姉さん先生」とはすっかり友達になって帰ってきました。

歯科治療がこんなに楽しくリラックスして出来たことに驚きました。息子の歯に大した損傷がなく、大がかりな治療にならずに済んでほっとしました。また、先生から「予防」の大切さも伺い、「歯科嫌い」にならずに済んだのを機に、虫歯を作る前に検診とクリーニングを定期的に受けることにしました。


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